ビートたけし(Vol.2)   曲目:浅草キッド

「浅草キッド」は、ビートたけし(北野 武)により作詞・作曲された楽曲である。
また、同名作にビートたけしによる小説「浅草キッド」がある。本楽曲は、福山雅治等にもカバーされており、人気の高い曲の一つとなっている。

この楽曲の内容は、ビートたけしが、浅草で涙ぐましい努力を重ね、只管、芸の向上に励んだ厳しい下積み時代を描いている。なお、歌詞の中での「お前」とは、ビートきよしのことではなく、それ以前のマーキー(ハーシー)氏のことを指しているという説が有力である。

ビートたけしは、浅草で実力を培い、ビートきよしとコンビを結成し、ツービートとして爆発的な人気を誇り、次第に不動の地位を築いて行く。

しかし、売れていつしかお笑い芸人のトップとなった現在でも、尚、この曲を歌う時には、苦しかった当時を思い起こしてのことか、ビートたけし自身、一際、感情を込め、涙を堪えながら歌っている。

売れない時代が如何に厳しい日々であったかについては、特に「いつか売れると信じてた 客が二人の演芸場で」という歌詞が、それを端的に表している。

また、売れない時代においてさえも、荒んだ心を持たず、謙虚で真っ直ぐに生きていた姿勢が窺える。「夢を託した100円を投げて真面目に拝んでる 顔に浮かんだ幼子の無垢な心にまた惚れて」の歌詞からその生き方が推察出来ると言えよう。

現在でもビートたけしは、時々、浅草のイベントにも参加するなど、売れるような下地を育み、実力を培った浅草という町の温もりや人情に感謝の念を抱いている。本作は、その堪えない感謝と自分の原点は常に浅草にあるというビートたけし自身の思いを一方では、形にした曲であるとも言えるのではないだろうか。

また、浅草キッドに描かれたような厳しい下積み時代を経験したからこそ常に謙虚でありながら、人の痛みを理解し、相手を思い遣る心を根底に持っている方であろう。TVやメディアにおける彼の心温かなユーモアは、正に思い遣りの心に溢れた優しい笑いである。今日では、ビートたけしは、お笑い芸人達の良き模範となっている。特に本作は、お笑い芸人の多くの方々にとっては、ビートたけしの成功の軌跡が描かれている為、大変、励みになる曲ではないだろうか。

この楽曲に込められた思いとは、ビートたけしがどん底から人一倍の努力を重ねて、トップ芸人になったように、多くの方々にとっても決して自分の夢や目標を安易に諦めずに確固とした覚悟と強い信念を持って挑み続けることの大切さが謳われている。

「夢は捨てたと言わないで 他に当てなき二人なのに」、「夢は捨てたと言わないで 他に道なき二人なのに」という歌詞にその思いとメッセージが込められているのではないだろうか。また、いつの時代にも夢や希望、目標を持って生きる人々を励まし、そっと応援しながら、優しく後押ししてくれる名曲の一つと言える。

     <通常バージョン/ライブ>

     <通常バージョン/CD音源>

     <ロックバージョン/ライブ>

「浅草キッド」   作詞:ビートたけし  作曲:ビートたけし

 

<歌詞>

 

お前と会った仲見世の

煮込みしかないくじら屋で

夢を語ったチューハイの

泡に弾けた約束は

灯りの消えた浅草の

炬燵一つのアパートで

 

同じ背広を初めて買って

同じ形のちょうたい作り

同じ靴まで買う金は無く

いつも笑いのネタにした

いつか売れると信じてた

客が二人の演芸場で

 

夢を託した100円を

投げて真面目に拝んでる

顔に浮かんだ幼子の

無垢な心にまた惚れて

 

一人訪ねたアパートで

グラス傾け 懐かしむ

そんな時代もあったねと

笑う背中が揺れている

 

夢は捨てたと言わないで

他に当てなき二人なのに

 

夢は捨てたと言わないで

他に道なき二人なのに

「浅草キッド」

 

【収録内容】

1.      ロンリーボーイ・ロンリーガール

2.      哀しい気分でジョーク

3.      I FEEL LUCKY

4.      I`ll Be Back Again・・・いつかは(TAKESHI&TAKA)

5.      ポツンと1人きり

6.      捨てきれなくて

7.      宵闇スターダストON THE BEACH

8.      見る前に躍べ

9.      ポケットから堕ちた夜

10.   I`ll Be Back Again・・・いつかは(オリジナル・ヴァージョン)

11.   四谷三丁目

12.   浅草キッド

L'âge d'or /円谷尚智