「阿久悠の詞の世界に感銘」

先日、亡くなられた作詞家の阿久悠氏の特番がテレビで放映されていたので拝見したところ改めてその詞の独創性に深い感銘を受けました。特に気付いたことは、言葉の持つ力で真っ向勝負していることです。とりわけ、時折、擬音を使いながら極力横文字などは使わないところも実に魅力的であり、その詞からは風景が浮かんでくる。また、ジャンルも非常に多岐に渡っている。例えば、恋愛や愛をテーマにした内容でも、そこからさらに細分化して、悲しいテーマの恋と明るいテーマの恋等に分かれるのである。また、「時代おくれ」のような昔の寡黙な男を描いたもの、「舟歌」、「北の宿」、「北の蛍」などに代表されるようなその詞を観れば情景が浮かんでくるような類まであり、その偉大さを改めて思い知らされました。これら一連の作品を通じて、言葉の織り成す美しさや想像力、いわゆる言葉の持つ力がある詞で常に私たちの心を満たすという彼の一種の作詞家としての哲学を感じた。

L'âge d'or /円谷尚智