「先日の鳩山由紀夫氏の辞任表明を思い起こして」

先日、民主党の支持率低下や様々な諸問題にけじめをつけるべく鳩山由紀夫氏は総理を辞任した。
一連の辞任演説を聴きながら鳩山さんの8カ月にわたる職務経緯が思い起された。我々、国民が腐敗した自民党政治や官僚主導ではなく、民意を反映した政治家主導による政治を目指す民主党に政権を与けて以来、様々な民主党と国民の声との食い違いが生じた。何をやってもマスメディアが連日のように悪評を並べて報道することも少なからず影響を及ぼしているだろう。報道とは、曇りなき視点で客観的に物事・事象を捉えて公平かつ公正に伝えていかなければならない。一時の酷評を眺めているとまるでかつてのデマゴーグと呼ばれた煽動政治に近いようにさえ思えてくる。むしろ2010年予算案、事業仕分、子供手当、高校の無償化など子供達の明るい未来の確立、そして、何よりこのような国民目線に立った民主党の温もりある友愛政治が確実に実行されているのは評価に値すると私は思う。かたや、これが自民党だったら果たして出来ただろうかとも疑問に思うところである。また、農家の人々への支援、医療の充実なども僅かながらに開始している。ただ、残念なのは、そんな頑張っている民主党を我々、国民は評価してあげてないことである。それは、普天間問題による一件が大きいと思料する。我々、日本は憲法第9条にあるように「戦争の放棄」及び「戦力の不保持」が明記されている。よって、日本が他国からの危険から守るものは日米関係によるもので強く守られていることに相違ない。北朝鮮なども日本に手出しできないのは米軍の抑止力のおかげである。日本は、このような日本国憲法上からどこかの県が犠牲にならなければならない特性がある。また、日本のみならず東アジア全体の平和と安定のことを思い、鳩山氏は苦渋の末に、普天間とういうことに至ったのであろう。社民党の福島氏は常に県外と述べているが、ではその代替案は何かと逆に問いたいところである。さらに、日米の関係なくして日本の安全は成り立つかを考えれば、福島氏の考えこそ理想論ではないだろうか。この普天間を巡って、都知事・各県知事に財源としての出資・援助を沖縄に施してくれないかと頼んでもみんな他人事でほとんど協力しようとしない。人間とは、自分のことばかりでまこと冷たいものである。しかし、ただ一人、橋本知事だけが「我々は、沖縄の皆さんの犠牲にタダ乗りしているから、出資・支援など協力するのは当然の義務だ」と述べていた。我々も、もっと沖縄の皆さんの犠牲の下にあるということを深く念頭に置くと共に感謝を忘れてはいけない。また、二つ目の争点は、やはり「金」の問題である。思えば自民党による献金政治・天下りなどは「金に汚い政治」としか我々、国民の目には映らなかった。お金にクリーンなはずの民主党が小沢氏の問題などを巡り、いつのまにか「金に汚い政治」の様相を呈してきた。しかし、今回、鳩山氏・小沢氏が揃って辞めることで「クリーンな民主党」の確立、またそれに向かう姿勢で再び国民の信頼回復に繋がったのではないだろうか。
先日の、鳩山氏の演説は、本当に誠実で曇りがなく愛に溢れた素晴らしい内容であると共に、明るくたくさんの笑顔に満たされた日本を取り戻したいという彼の熱意と思いが伝わってきた。きっと国民のみなさん、一人一人の心にその思いは届いているのではないだろうか。
かつて、勝海舟は人間が心を開くにはいかにするべきかを説いた。それは、「赤心を通じて相手の胸中を説け」ということだった。赤心とは、誠実さのことである。つまり、誠実さをもって相手の心に訴えかけることで初めて人というのは相手に心を開くということである。
先日の鳩山氏は、まさに赤心をもって私たちに熱弁していたのではないだろうか。私たち、国民もその思いを汲み取り、もう一度、民主党に期待すると共に、今まで民主党が行ってきた政策を8カ月間にしては良くやっていると評価してあげるべきではないだろうか。あれだけ自民党によって落ち込んで荒れた政治の後始末をして立て直すのは容易ではない。そんな短期間で景気が回復して思うように進んだら誰も苦労などしないはずである。また、自民党は相変わらず、民主党の否定ばかりしているが、自分たちならこうするという政策案の提言が全くない。一方で、長きにわたる自民党政治のやり方を変えるのだから、たくさんの非難や否定の声は、当然あるだろう。しかし、大切なことはどんなに非難されようが民主党が信じた政策・政治の根本をブレることなく進めていくことが肝要なのである。願わくば荒れた日本を着実に立て直そうとしていることを私たちは、もっと長く温かい目で見てあげるべきなのではないだろうか

 

L'âge d'or /円谷尚智